そのゲームを配信していいかは、メーカーが出している「配信ガイドライン」で確かめます。探す場所はゲームの公式サイト、メーカーのサポートFAQ、メーカー全体のガイドラインページの3つです。
見落としやすいのは、ガイドラインの多くが「個人」を前提にしている点です。事務所に入っている人や法人名義で配信する人は、同じゲームでも扱いが変わることがあります。
この記事では、執筆時点(2026年10月)で公開されている各社の公式ページをもとに、探し方と読むべき項目を順に並べました。法的な判断を代わりにするものではないので、最終確認は必ず各社の公式ページで行ってください。
ゲーム配信の許可の確認方法は「公式ガイドラインを探す」の一択
ゲームの映像や音楽には著作権があり、配信してよいかを決めるのは権利を持つメーカーです。メーカーは個別の問い合わせに答える代わりに、条件をまとめた配信ガイドラインを公開しています。つまり、配信の許可を確認する方法は、そのガイドラインを読むことです。
配信プラットフォーム側もこの考え方です。YouTube ヘルプのビデオゲームやソフトウェアに関連したコンテンツでは、ゲーム動画で収益を得られるかどうかは、ゲームの配信元のライセンスで認められた商用利用の権利によるとされています。プラットフォームが許可を出すわけではない、という点を最初に押さえておくと迷いません。
ガイドラインは次の順で探すと見つかりやすいです。
- ゲームの公式サイトを開き、ページ下部や「お知らせ」に「動画」「生配信」「ガイドライン」の文字がないか見る。
- 見つからなければ「ゲーム名 配信 ガイドライン」で検索し、メーカーのドメインのページを選ぶ。
- それでもなければ、メーカーのサポートFAQや「著作物に関するQ&A」を見る。メーカー全体で1つのガイドラインを出している会社もある。
まとめサイトや配信者の解説動画は、どのゲームにガイドラインがあるかの手がかりにはなります。ただし改定に追いついていないこともあるので、判断の根拠にはメーカー公式のページを使ってください。
大手メーカーのゲーム配信ガイドライン(執筆時点)
代表的なメーカーのガイドラインの置き場所と、大まかな方針を表にしました。中身は改定されるので、細かい条件はリンク先で確かめてください。
| メーカー | ガイドラインの単位 | 個人の収益化 | 事務所・法人 |
|---|---|---|---|
| 任天堂 | 会社全体で1つ | 任天堂が指定する方法に限り可 | 個人向けのガイドライン。事務所・法人は別途確認が必要 |
| カプコン | 会社全体で1つ(個人向け) | 動画共有サイトの収益化機能で可 | 個人向けガイドラインの対象外 |
| スクウェア・エニックス | タイトルごと | タイトルごとに記載 | タイトルごとに記載 |
任天堂
任天堂はネットワークサービスにおける任天堂の著作物の利用に関するガイドラインを公開しています。英語版には、動画投稿だけでなくライブ配信も対象だと明記されています。収益化は任天堂が別に指定する方法に限られ、その一覧に YouTube パートナープログラムが入っています。
ゲーム映像をそのまま流すだけで、自分の創作性やコメントがない投稿は認められていません。また、任天堂以外の会社が権利を持つ要素が含まれる場合は、その権利者から別に許諾を得る必要があると書かれています。任天堂のハードで遊ぶゲームでも、他社が発売したソフトは任天堂のガイドラインの対象外なので、そのメーカーのページを見ます。
カプコン
カプコンはカプコン動画ガイドライン(個人向け)を出しています。個人は、YouTube や Twitch などの動画共有サイトが用意している収益化の仕組みで収益を得られます。一方で、視聴そのものに課金する形は認められていません。
ムービーやBGMだけを切り出した動画や、発売前の内容の公開は禁止です。カプコンは個別の内容確認や許諾には応じないとしています。法人やタレント事務所に所属する人の扱いは、サポートFAQのゲームのプレイ動画を投稿・配信したい(個人・法人)に案内があります。
スクウェア・エニックス
スクウェア・エニックスは、タイトルごとにガイドラインを置いています。たとえばライブアライブのガイドラインでは、JASRAC と利用許諾契約を結んだ動画共有サイトが正式に提供する収益化機能なら使えるとしています。FINAL FANTASY XIII のガイドラインでは、法人から報酬を得ている人も個人名義のアカウントなら利用でき、法人名での利用は認めないと書かれています。
ドラゴンクエストシリーズは、配信ガイドライン改訂のお知らせで、指定の動画共有サイトの収益化機能による個人の収益を商用利用とみなさない扱いに変えています。オンラインゲームのドラゴンクエストXのように、ゲーム内の配信設定や配信できない場所まで決まっている例もあります。同じ会社でもタイトルで条件が違うので、必ず遊ぶタイトルのページを開いてください。
ゲーム配信ガイドラインで確認する6つの項目
ガイドラインを開いたら、上から順に次の6つを探します。全部読むのが大変なときも、この6つだけは飛ばさないでください。
- 対象者: 個人だけか、事務所所属や法人も含むか。
- 対象の形式: 生配信、録画した動画、スクリーンショットのどれが許されているか。
- 収益化: 広告収益や投げ銭が使えるか、使えるならどのプラットフォームの仕組みか。
- 配信禁止の範囲: エンディングや特定のチャプターなど、映してはいけない区間があるか。
- ネタバレと発売前: 発売前の配信が禁止か、ネタバレの注意書きが求められているか。
- 表記の義務: 著作権表記やタイトル名の記載など、概要欄や画面に書くべきものがあるか。
Vtuber として配信する場合は、1つ目の「対象者」を特に丁寧に読みます。個人勢なら個人向けの条件で配信できるゲームが多い一方、事務所に入ると「個人向けの対象外」になるケースがあるためです。所属が決まったら、配信してよいゲームの範囲は事務所に確認するのが確実です。
BGM にも注意が要ります。カプコンのように、BGM だけを切り出した動画を明記して禁じているメーカーもあります。ゲームの音楽をプレイ以外の場面で使いたいときは、その使い方がガイドラインで認められているかを確かめてください。
ガイドラインが見つからないときの考え方
インディーゲームや古いタイトルでは、配信ガイドラインが見つからないこともあります。このとき「書いていないから自由に配信してよい」とは考えないでください。許可が出ていない状態と、許可されている状態は別です。
まずは公式サイト、ストアページの説明文、公式 SNS の固定投稿を確認します。配信についての案内が、ガイドラインとは別の場所に書かれている場合もあるためです。どこにも記載がなければ、公式の問い合わせ窓口で聞くのが筋です。ただし、カプコンのように個別の確認・許諾には応じないと明記している会社もあります。その場合は、ガイドラインに書かれている範囲で判断することになります。
迷うゲームを無理に初配信で選ぶ必要はありません。配信のルールがはっきりしているゲームから始めれば、確認の手間も削除のリスクも減らせます。
配信していいゲームのよくある質問
許可を取らずに配信したらどうなりますか?
カプコンのガイドラインのように、不適切と判断した動画は削除する場合があると書いているメーカーがあります。どうなるかはメーカーと内容次第なので、ここで一律には言えません。配信前にガイドラインを読むのがいちばんの予防です。
配信していいゲームなら収益化もできますか?
配信の可否と収益化の可否は、別々に書かれていることがあります。任天堂のように収益化の方法を指定している会社もあるので、収益化の項目も必ず確認してください。YouTube の場合は、ゲームと収益化のヘルプもあわせて読んでおくと安心です。収益化の仕組みはプラットフォームごとに違うので、どこで配信するか迷っているなら配信プラットフォームの比較も参考にしてください。
Switch や PS5 の配信機能を使えば許可はいりませんか?
ゲーム機の配信・録画機能は、映像を外に出す仕組みです。ゲームの権利者の許可とは別の話なので、使う場合もメーカーのガイドラインは確認します。カプコンのガイドラインも、ゲーム機の標準の録画・共有機能で作った動画を、ガイドラインの中で扱いを定める対象にしています。
ガイドラインは一度読めば十分ですか?
ガイドラインは改定されます。任天堂は2024年9月に内容を更新しています。長く続けるシリーズ配信なら、数か月おきに更新日を見ておくと安全です。
今日やること:配信したいゲームを1本選んでガイドラインを開く
今日は、最初に配信したいゲームを1本だけ決めて、そのガイドラインを開いてください。上の6項目のうち「対象者」と「収益化」の2つが確認できれば、初配信の準備としては十分です。
どのゲームにするか決まっていないなら、配信で盛り上がるおすすめゲームから候補を選び、そのタイトルのガイドラインを確認する順番がおすすめです。配信ソフトや機材も含めた全体の流れは、ゲーム配信の始め方にまとめています。

