スマホだけで VTuber 配信を始めるなら、候補は 3 つです。アプリ内で 3D アバターを作るなら REALITY、手持ちのイラスト 1 枚で始めるなら IRIAM。ゲーム画面の配信が中心ならミラティブ(Mirrativ)です。どれも基本無料で、PC も追加の機材も要りません。
ただ、比較記事の多くが触れていないことが 1 つあります。それは「そのキャラクターを、あとで別のアプリや YouTube に連れて行けるか」です。アプリ内で作ったアバターと、自分で用意したイラストでは、権利の持ち主と持ち出せる範囲が違います。
この記事では、主要 4 アプリを比較表で並べたうえで、この「持ち出せるか」を判断基準に加えて選び方を整理します。内容は執筆時点(2026年10月)に公式ストアや公式ページで確認できた情報です。
スマホでVTuber配信できるアプリ比較表(2026年10月時点)
まずは 4 アプリを同じ項目で並べます。料金はどれも「アプリは無料、アプリ内課金あり」です。課金の中身はアバターの衣装やギフト用のコインで、配信を始めるだけならお金はかかりません。
| アプリ | キャラの作り方 | 向いている配信 | 対応OS | キャラの持ち出し |
|---|---|---|---|---|
| REALITY | アプリ内で 3D アバターを組み立てる | 雑談・コラボ(最大 4 人) | iOS / Android | 権利は運営側。個人・同人の範囲で外部利用可 |
| IRIAM | 自分で用意したイラスト 1 枚を取り込む | 雑談・歌枠などリスナーとの会話 | iOS / Android | イラストの権利は自分か絵師側。契約しだいで他でも使える |
| ミラティブ(エモモ) | アプリ内の 3D アバター「エモモ」を着せ替える | スマホゲームの画面配信 | iOS / Android | アプリ内のアバター |
| Avvy | アプリ内で 2D パーツを組み合わせる | アプリ内配信、OBS 経由で外部配信 | iPhone(App Store で確認) | アプリ内のアバター |
表の出典は各アプリの App Store 掲載ページ(REALITY、IRIAM、ミラティブ、Avvy)と、MoguLive のまとめ記事(スマホだけでVTuberデビュー!アプリ完結型VTuberアプリ最新まとめ【2026年7月版】)です。Android 対応は、REALITY が同まとめ記事、IRIAM が MoguLive の Android 版リリース記事(2018年11月)、エモモが PANORA の Android 向けβ版公開記事で確認しました。Avvy の Android 版は公式の掲載ページを確認できなかったため、iPhone だけを書いています。
なお、2026年3月に始まった通話配信アプリ POPOPO は、2026年9月17日にサービスを終了しました。終了後はアカウントと、アプリ内アバターのデータが消去されると発表されています(出典: POPOPO 運営会社のプレスリリース)。この記事の後半で「持ち出せるか」を重く見ているのは、こうしたことが実際に起きるからです。
各アプリの特徴と、向いている人
REALITY:3D アバターを作ってすぐ配信したい人
REALITY は、スマホのインカメラで表情を読み取り、3D アバターを動かして配信するアプリです。顔を出さずに配信でき、最大 4 人でのコラボ配信や、コメント・3D ギフトでのやりとりができます(出典: App Store「REALITY – 顔出しナシのライブ配信アプリ」)。
アバターは髪型や服をアプリ内のパーツから選んで作ります。絵が描けなくても、依頼費を払わなくても、インストールした日に配信できるのが一番の強みです。そのかわり、見た目はアプリのパーツの組み合わせになるので、ほかの配信者と似た雰囲気になりやすい面があります。
運営は REALITY 株式会社で、アバターの外部利用には公式の「二次利用ガイドライン」があります。中身は次の章で詳しく書きます。
IRIAM:自分のキャラクターのイラストを持っている人
IRIAM は、1 枚のイラストを取り込むと、そのキャラクターが動いて配信できるアプリです。App Store の説明には「キャラクターモデリング等の複雑な作業なく、1枚のイラストだけで」配信できると書かれています(出典: App Store「IRIAM – Vライブコミュニケーションアプリ」)。
ほかの 3 アプリと違うのは、キャラクターをアプリの外から持ち込む点です。自分で描くか、イラストレーターに依頼したイラストを使います。配信に使う立ち絵には運営の審査があり、執筆時点の App Store の更新情報では、審査済みの立ち絵にマークが表示されるようになったと案内されています。
リスナーとの距離が近く、コメントでの会話が中心の配信文化です。IRIAM で使うボイスチェンジャーやマイクなど、機材面は「IRIAM での VTuber デビューに必要な配信機材」の記事にまとめています。
ミラティブ(エモモ):スマホゲームを配信したい人
ミラティブは、スマホ 1 台で画面を配信・録画できるアプリです。App Store の説明では、オリジナルのアバターでのライブ配信もできるとされています(出典: App Store「ミラティブ 顔出しなしのアバターでゲーム・ライブ配信」)。
そのアバター機能が「エモモ」です。2018年8月にβ版が公開されたときは、特殊な機材がなくても配信できる端末なら動くと発表されていました(出典: ミラティブのプレスリリース(2018年8月1日))。ゲームをしながら、画面の隅にアバターを置いて話すスタイルに向いています。
VTuber として雑談を主にしたいなら、REALITY か IRIAM のほうが配信の文化が合います。スマホゲームの実況が主なら、最初に試す価値があるのはミラティブです。
Avvy:2D の見た目で、外部の配信サイトにも出たい人
Avvy は、2D のパーツを組み合わせてアバターを作り、インカメラで表情をトラッキングして動かすアプリです。App Store の説明では、アプリ内からそのまま配信できます。OBS と連携して、外部の配信サイトに出すこともできるとされています(出典: App Store「Avvy(アヴィ) | VTuberアバターライブ配信」)。
REALITY が 3D なのに対し、Avvy は 2D のイラストに近い見た目になります。YouTube など外の配信サイトで活動したい人には選択肢になりますが、OBS を使う時点で PC が必要になる点は覚えておいてください。
選ぶ前に確認したい「キャラクターの権利と持ち出し」
スマホアプリで始めた人が、数か月後に「YouTube でも配信したい」「Live2D で動かしたい」と考えるのはよくある流れです。そのとき、キャラクターを連れて行けるかどうかは、最初に選んだアプリで決まっています。
REALITY のアバターは、運営側の権利の範囲で使う
REALITY の利用規約では、アバターに関する権利は運営会社などに帰属すると定められています(出典: REALITY 利用規約)。そのうえで二次利用ガイドラインが、個人・同人活動の範囲での外部利用を認めています。
ガイドラインで認められている例は、自分のアバターを SNS のプロフィール画像や配信の告知画像に使うこと、録画した配信を YouTube などで公開すること、などです。個人・同人の範囲を超える商業利用は、個別の許諾が必要とされています(出典: REALITY 二次利用ガイドライン)。
つまり REALITY のアバターは、REALITY の外でも使えます。ただしあくまで運営が決めた範囲の中での話で、自分の持ち物として自由に作り変えたり、グッズを販売したりはできません。
IRIAM のイラストは、絵師との契約が決め手になる
IRIAM で使うイラストは、自分が著作権を持っているか、著作権者から許可を得たものである必要があります(出典: IRIAM サポート「他の人の著作物を使用する行為について」)。自分で描いたイラストなら、IRIAM 以外でもそのまま使えます。
依頼したイラストの場合は、契約で決めた範囲でしか使えません。IRIAM の公式解説でも、立ち絵を別の用途に使うなら事前の取り決めを勧めています。著作権の譲渡や利用範囲を、イラストレーターと決めておくということです(出典: IRIAM「イラストの制作依頼で知っておきたい『権利』『利用範囲』について」)。
依頼するときに「IRIAM 以外の配信や、Live2D 化にも使いたい」と最初に伝えておけば、あとで YouTube に移るときも同じキャラクターで続けられます。依頼費の目安は「Live2Dモデルの依頼相場」で価格帯ごとに整理しています。
アプリ内アバターは、アプリが終われば一緒に消える
ミラティブのエモモや Avvy のように、アプリの中で組み立てるアバターは、そのアプリの中で使うことが前提です。先に書いた POPOPO のように、サービスが終わればアバターのデータも消えます。
これは「アプリ内アバターを選ぶな」という意味ではありません。お金をかけずに配信を試すには一番早い方法です。ただ、名前やキャラクター設定まで作り込む前に、どのアプリで何年続けたいかを一度考えておくと、あとで作り直す手間が減ります。
スマホVTuber配信アプリの選び方(3つの判断基準)
ここまでの内容を、選ぶときの順番に並べ直します。上から順に答えていけば、候補は 1 つか 2 つに絞れます。
- キャラクターのイラストを持っている、または依頼する予定がある → IRIAM。持っていなくて、今日から始めたい → 2 に進む
- 配信の中身はスマホゲームが中心 → ミラティブ。雑談やコラボが中心 → 3 に進む
- 3D の見た目で、アプリ内の配信者と交流したい → REALITY。2D の見た目で、OBS 経由で外の配信サイトにも出たい → Avvy
迷ったら、REALITY か ミラティブで 1 週間ほど配信してみるのがおすすめです。どちらもイラストを用意する必要がなく、合わなければアンインストールするだけで済みます。配信を続けられそうだと分かってから、イラストを依頼して IRIAM に移る、という順番でも遅くありません。
もう 1 つ、どのアプリを選んでも先に済ませておきたいのが身バレ対策です。スマホ配信は部屋の音や通知が入りやすいので、配信前に「VTuberの身バレ・顔バレを防ぐ設定と習慣」のチェックリストを一度見ておいてください。
スマホアプリの次に Live2D モデルで配信するなら(iPhone と PC)
アプリ内アバターではなく、自分の Live2D モデルを動かしたくなったら、iPhone をトラッキング用のカメラとして使う方法があります。この場合、配信そのものは PC から行います。
VTube Studio の iPhone 版は、Face ID 対応の iPhone・iPad に Live2D モデルを読み込み、表情をトラッキングして動かせます。アプリは無料で、アプリ内課金があります。トラッキングのデータを Windows・macOS 版に送り、PC 側でモデルを動かして配信に使う、という使い方が公式に案内されています(出典: App Store「VTube Studio」)。設定の手順は「VTube StudioでiPhoneトラッキングする方法」で書いています。
Live2D 公式の nizima LIVE にも、iPhone 用の無料アプリ nizima LIVE TRACKER があります。対応機種は iPhone X 以上、iOS 16.0 以上です(出典: App Store「nizima LIVE TRACKER」)。PC 側の nizima LIVE は無料版から使え、無料版はロゴの表示とカメラの連続使用 40 分までという制限があります。有料の for indie プランは月額 500 円台で、年間契約だと割引があります(出典: nizima LIVE 料金プラン)。
Webカメラ 1 台で Live2D モデルを動かして配信するまでの流れは「nizimaLIVEの使い方」にまとめました。スマホアプリで配信に慣れてから、この形に移る人は多いはずです。
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今日やること:アプリを1つ入れて、配信のテストをする
今日やることは 1 つだけです。上の 3 つの判断基準で選んだアプリを 1 つインストールし、アバターを作るかイラストを登録して、配信画面まで進んでみてください。実際に自分のキャラクターが動くのを見ると、続けたいかどうかが分かります。
配信を切り抜いてショート動画にしたくなったら、スマホでできる編集アプリを「スマホでできる動画編集アプリ」で紹介しています。デビューまでの全体の流れは、柱ページの「VTuberデビューの簡単ステップ」で確認できます。

